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ゲノム解析研究部門 部門長:今西 規



ゲノム情報の個人差を手がかりとして疾患リスクを予測する生命情報学(バイオインフォマティクス)技術の開発を進める。ゲノム情報解析を活用したがんや感染症の高精度な診断技術の開発に取り組む。具体的には次の3つの研究課題に取り組む。
(1)がんゲノムの情報解析により、がんのリスク予測や再発の早期検出を可能にするための診断技術の開発を行う。
(2)日本人におけるゲノム多型の地域差の情報を手がかりとして、患者ゲノムの解析による難病の原因遺伝子の探索を行う。
(3)ゲノム情報解析により各種の感染症を迅速に診断するための技術を開発する。特に短時間でのゲノム配列決定が可能な一分子DNAシークエンサーから出力されるDNA配列を使い迅速に感染原因菌の生物種や薬剤耐性菌の判定を行う情報処理を実現する。


 

本研究では、ゲノムを自由自在に改変できる究極の技術として期待されているCRISPRゲノム編集技術について、独自の方法をさらに改良すること、また、それを用いたモデル動物作製と遺伝子治療への応用を目指している。その成果を学会や論文等で広く公表すること、および技術の普及を目的とした講習会等を開催することで、東海大発の技術を世界に発信し、当該分野の研究をリードしていきたい。


 

患者数の多い、いわゆるcommon diseaseの原因変異は1疾患当たりの変異数が多く、1つの変異が疾患に寄与する割合(リスク)が極端に低く、生物学的な機能解析ができない。しかしながら、リスクの強い変異も存在することから、いくつかの課題を克服しつつこれを遺伝学的に検出し、さらにその変異の機能を解析することで、今までにない疾患の新たな理解を目指している。


 

トランスポゾンは宿主ゲノムに寄生するジャンクDNAだと考えられてきたが、近年、癌、神経性疾患、ウイルス感染防御など様々な疾患に関与することが分かってきた。我々はヒトゲノムを対象にトランスポゾンのウイルス様の配列を網羅的に同定したgEVEデータベースを構築・発展させている。本研究ではgEVEデータベースを活用し、様々な造血器腫瘍患者の大規模転写配列データを合わせて解析し、トランスポゾンと造血器腫瘍の関連を明らかにし、その病態解明を目指す。